「宝石鑑定士」っている表現が気になる今日この頃。。。
宝石関係の資格でGIA.G.G.というものがあります。この資格をGIA認定鑑定士だとか、宝石鑑定士だとか宣伝にうたわれている場合があります。これは、本当は間違った表現で、GIA.G.G.の資格を取得したときに渡される規約にも違反しています。というのも、GIA.G.G.とは、GIA(米国宝石学会)で行われている宝石学に関する教育を修了した者であるという意味です。GIAでは、その人物の人格や能力を判断し、宝石鑑定業務を行ってもいいよ、などとは決して言っていません。
要するにGIA.G.G.というのは、GIAの教え子であるというだけで、卒業後もそのスキルを保証するとか、仕事内容を保証するとかいうものではありません。なので、私はこの資格をまるで国家資格のような「宝石鑑定士」という表現で説明することには抵抗があります。
もちろん、GIA.G.G.の資格者は、それだけ勉強してきたわけですから、その分の宝石鑑別、鑑定能力はあると思いますし、知識も豊富であるとは思います。ただ、それだけで安心してはいけないと思うわけです。我々の仕事は、お客様の品物を正確に査定し、金銭的な価値に置き換えなければならないわけで、早い話、できるだけお客様に満足いただけるような、きちんとした金額を提示することが大事なのです。
ですから、お客様には、資格の有無という宣伝文句だけではなく、モラルや、長年の経験、ノウハウがあり、きちんと相場を知っている鑑定人を見極めていただきたいと思うわけです。
と、ここまで書いておいて、私もGIA.G.G.です。査定能力があるかどうかは、皆様のご判断にお任せします(^^;)