特別企画・のれんのほころび

熊谷質店

今回は、当店の店主が綴ります

のれんのほころび(質屋のおやじのつぶやき)

今回は、特別企画として、当店の店主のコラムをお届けします。

年中無休

先日、表ののれんがほころびだしたので、紺屋さんに頼んで同じものを3枚ほどあつらえた。紺屋さんによれば、前回頼んだ時よりもう10年近くたつという。1枚の耐用期間にすれば約3年あまりということになる。年中無休(正月元日と2日だけ休業)で風雨にさらされているにしては丈夫なものだと思った。

思えば年中無休というのも我々のような少人数の商店では大変なことなのだと改めて思う。というのも、私も家内も今年から後期高齢者である。のれんでなくともあちこちほころびが出ている。現に今私は腰痛の悪化で杖をついて来客を迎えている。しかし交代で休みを取るから十分に療養することはできない。

そんな中で、「親父さん、どうしたの?」「大事にしてよ」というお客さんの慰めが心にしみる。整形外科医から整体師、鍼灸師、はては占い師までお客さんが紹介してくれる。

お客さんの慰めや励ましのおかげで今までも色々のことを乗り切ってきている。有難いことだと思う。そして、どんなことをしても年中無休のシステムは続けねばと思うのである。なにせ、街なかの便利屋さんを自負しているのだから。

のれん