いろいろなものの相場に深く影響する政策です
地金相場がここのところ右肩下がりで推移しています。金は今日まで実に7営業日連続で下落。プラチナは1カ月前と比べて1gあたり500円ほどの急落となっています。この下落の原因の1つとなっているのがアメリカの量的緩和政策です。
経済政策の話で最近よく出てくる「量的緩和」という言葉。なんか、ぴんとこない言葉ですよね(^^;)。要は、市中に出回るお金の量を増やそうという政策です。簡単に日本の場合でいえば、民間の銀行が持っている国債や手形などを日本銀行が買い取ります。そうすると銀行の資金が増えますから、その分、銀行からの融資、運用などを通じて市中に出回るお金の量が増えるわけです。この政策は深刻なデフレなどで経済が完全に停滞しているようなときに行われる究極の一手みたいな政策です。日本でもアベノミクスの中で日銀が大胆な量的緩和策を実行しているため、大幅な円安になっていますよね。株価も上がりました。量的緩和政策は色々なものの相場を一気に変える力を持っています。
さて、今話題になっているのはアメリカが行っている量的緩和政策のお話です。アメリカの経済が上向きになってきた今、アメリカ国内では現在行っている量的緩和政策(QE3)を予定より早い段階で縮小することが協議されています。そして、その結論は6/18~19に行われるFOMC(連邦公開市場委員会)で決められることになっています。最近の相場の動きは、このFOMC終了後に行われるFRB(連邦準備制度理事会。アメリカの金融政策を決める組織)議長の正式発表をにらんだ展開となっています。
量的緩和政策が行われている間はその国の為替相場は通常安くなりますから、これをやめればドル高(円安)となるはずです。また、投資資金の避難先として運用されていた金などから他の金利を生む投資対象に資金が移っていくので、地金相場は下がる傾向になります。
ところが、今回の場合、なぜか為替が大幅に円高ドル安になり、株も値段を下げ、地金相場もやはり値段を下げました。投資家の予測としては、量的緩和の縮小政策に対して消極的で、年内にも実施されることになればアメリカの経済が多少失速し、株価などがまた下がるのではないか、その前に株を売って安全資産である円を買おうという動きになったものだと思われます。結果、円高になり、地金自体の値段も下がるというダブル・パンチで国内の金、プラチナ相場は今月初め頃から値段を下げ続ける展開となっています。
そして昨日19日、正式にFRB議長が量的緩和政策を今後も継続する一方、終了の見通しも示し、年内にもその規模の縮小を開始する可能性があると発言しました。これを受けて、金・プラチナ相場は更に値段を下げ、株も値段を下げました。ただし、今回は終了の見通しをきちんと示したこともあり、為替に関してはドル高円安の本来の動きとなりました。国内相場は結構下がりましたが、地金の下落率の大きさの割にはなんとか踏みとどまった感じでしょうか。
バーナンキFRB議長の会見
ここのところの相場を動かしていたビッグ・イベントが終わり、これからの地金相場はどうなっていくのでしょうか。ここを底と見て多少反発の動きがありそうですが、さて明日はどっちだ~?(^^;;)
(・・・なんか、字ばっかりのページですみません。また、経済については素人の人間が書いておりますので間違えなどありましたらご指摘ください(^^;;))