続・地金相場下落(気ままにブログ)

熊谷質店

またまた金相場に関するお話です

続・地金相場下落 (2013/6/27)

前回ブログで金相場下落について書きましたが、あれから1週間。金相場の下がり方が止まりません。結局この1週間でさらに300円近く値を下げました。現在、1gあたりの純金インゴッド取引基準価格が4,037円となっており、一昨年の12月末以来の安値となっております。ドル建てベースで考えた場合の値段としては約3年ぶりの安値水準となっております。

19日にアメリカの量的緩和縮小政策が決定的となったニュースの後、ヨーロッパの銀行が金の相場見通しを大幅に下方修正したこともあって、金相場はまだ落ち着きどころを見出せず下がり続けている感じです。この1カ月のチャートは以下のようになっております。(世界的な金価格の流れを見るために、ニューヨーク市場での1オンスあたりのドル建ての価格としてあります)

1,400ドル以上あった値段が、1か月も経たないうちに、1,230ドルまで急落するというちょっと異常な事態となっております。ただ、もともと金の値段というのは少し前までは今と比較して非常に安いものでした。2000年以降、長引く世界的な不況、リーマン・ショック、中国、インドなどのアジア諸国の台頭など様々な要因で金価格がどんどん跳ね上がっていったのです。ちにみに、この10年で見た場合の金価格の推移は次のようになります。

高値のピークは、2011年8月頃で、実に1,900ドルもの値段が付いています(日本での高値のピークはアベノミクスによる円安が進んだ今年2月頃となりました)。逆に10年前は340ドルしか付いてなかったんですね(^^;)。本当に驚きの変動です。現在1,230ドルほどの値段ですから、10年間のスパンで見ると、まだ下がる余地があるのかもしれないと思ってしまいますね。どの辺が相場の底になるのか、今のところはっきりとしていない状況です。そもそもアメリカが量的緩和の幕引きをするというのが未知の出来事なので、その影響は投機筋も分からないんでしょうね(^^;)。様子を伺いながらじりじりと値を下げているような感じです。

昔とは違って現在は、金を大事にする中国の経済力が大きいですから、極端に安くなれば必ず買い戻しが入るという状況に変わりはないと思います。ただしここのところ、中国経済の先行きがあまり思わしくないという観測が出たりして、さらに金相場を下げているようです。

最近は、1日の間でも東京、香港のマーケットがオープンしているアジア時間では値を上げて、ロンドン、ニューヨークのマーケットがオープンすると途端に値を下げるなど、かなり変動が激しいです。落ち着きどころがどこになるのか、またもう少し値を上げてくることがあるのか。

金相場が下がると、金製品を求める一般消費者にとっては商品が安く買えるようになりますから、プラスの面もあります。また、長い目で見ると金製品の売り買いが活発になって、宝飾に携わる業界にとってもよい部分もあるかと思います。我々のように買取、質預かりを専門にやっているものにとっては、こういった急落は商売上かなり苦しいのですが、これを乗り超えていくしかありませんね(^^;;)。