今年の金相場をどう推移していくのでしょうか。
2014年がスタートしました!本年もどうぞよろしくお願いいたします!
さて、昨年は日本経済が近年になく大きく動いた年でした。流行語大賞が同時に4つも選ばれるなど、話題が多く賑やかな雰囲気もありましたよね。我々の業界でも相場の値動きが激しく、慌しい一年となりました。
金相場は、昨年1月の時点で1,650ドルもあった相場が、年末には1,200ドルまで落ち込みました。プラチナはというと、1,550ドルから1,350ドルとやはり一割以上落ち込んではいますが、元々相場の動きが激しいプラチナ市場での値動きとしてはそれほどでもないと思います。結局「金」は本来お金の代わりをするものですから、金の相場が下がるということはお金(通貨)の価値がその分上がったということだと思います。
2008年のリーマン・ショックにより、株価が暴落し、世界中が一気に不景気にみまわれました。世界経済の中心であるアメリカでもかつてしたことがない量的緩和策を実行して、市中に出回るお金の量を増やし何とか景気を回復させようとしてきました。あれから5年を過ぎ、政策の効果が表れているのか、ダウ平均株価はすでにリーマン・ショック前の状態を大きく上回っております。昨年一年間で見れば、1月の時点で13,800ドルほどだったのが、12月には16,600ドルまで上昇しました。
さて、量的緩和策でお金(ドル)の量が増えれば、お金自体の絶対的な価値は下がることになります。その分、お金に対する金の価格が上がってきたともいえるわけです。ところが、昨年、アメリカでは量的緩和策の縮小を年内にも実施する議論が出てきました。量的緩和策自体が大不況のときに取られる究極の政策みたいなものなので、いつかはこれをやめなければなりません。株価がもはやこれだけ高い水準で推移しているわけですから、こういった話が出るのは当然のことです。量的緩和策が縮小されれば、金相場は下落します。実際、アメリカの金融政策を決定するFRBの会合があるたびに金の価格が動かされました。結局12月になって、量的緩和策は縮小が決定したわけですが、これをにらんで昨年一年間を通じて金の価格が大きく下落しました。まあ、元に戻るとまでは行きませんが、異常に高すぎた値段から、本来あるべき価値に近づいてきたということなのでしょうか。
量的緩和策の縮小は、緩やかながらも、これから徐々に実行されていくことが確実です。これまで投資会社の資金の逃避先となってきた金から、利回りのいい金融商品に資金が徐々にシフトしていく傾向が今年も続きそうな感じです。とはいえ、金を大切にする中国やその他アジア諸国の経済的な発展や、金の採掘コスト自体の上昇など、金の値段を下支えする要素も十分にあります。2014年の金価格はどうなっていくのでしょうか。ちなみにバークレイズ(ロンドンに本拠地を置く国際金融グループ)の金価格見通しでは、1,310ドルという数値が出ています。
(※日本では、この一年間で大きく円安となったため、外国よりも金相場の下落が少ないです。昨年1月に4,800円台であった純金インゴット相場が、年末の時点で4,250円ほどとなりましたが、現在4,300円あたりで落ちついております。プラチナにいたっては外国とは逆にプラスとなっていますね。)
純金インゴットバーと今年も相場の鍵を握るFRB議長の会見(^^;)