今年も為替には振り回されます
今年ももう3月ですね。いわきも桜の蕾がだいぶ膨らんできました。早咲きのカンヒザクラなどは今週中にも開花しそうな感じです。
さて、もう1か月以上も前の話で恐縮ですが(^^;;)、2月1日、ロレックスが定価の値上げを発表しました。1月に高騰したスイスフランがその原因となっておりますが、前回値上げした2013年11月から1年と3か月、比較的短期間での再値上げとなりました。
主要モデルの変更前、変更後の価格を見てみましょう。
エクスプローラⅠ(大型)¥621,000 → ¥669,600 |
サブマリーナ・デイト¥810,000 → ¥874,800 |
デイトナ¥1,123,200 → ¥1,242,000 |
GMTマスターⅡ(青黒)¥864,000 → ¥918,000 |
ミルガウス¥682,500 → ¥729,000 |
エアキング¥430,500 → ¥489,240 |
平均7~8%の値上げということで、大体そのような感じになっているでしょうか。でもデイトナやエアキングは1割以上の値上がりですね。デイトナは、常にプレミアムが付いていて定価以上の値段で販売されているので、実勢価格に近づいてきた感じですね。メンズモデルの中で最もリーズナブルなエアキングの値上がり幅は結構痛い人も多いのではないでしょうか。とうとう、ロレックスメンズモデルの最安ラインもほぼ50万になったわけです(^^;;)。自分が店に立ち始めた15年ほど前は、たしか30万くらいだったと思うので、ずいぶん値段が上がったものですね。まあ、どこのメーカーも同じような感じですが。
ここで、コマーシャル(^^;;)
今回の値上がりを受けて、中古市場でもロレックスの相場がさらに高くなっております。今の相場は、史上最高値といってもいいと思います。古い型のロレックスでも現行品の相場上昇とともに相場が上がっておりますから、高額査定が見込めると思います。不要な時計などございましたら、是非ご来店ください。当店では付属品、保証書等がなくてもお客様の目の前で査定し、値段にご納得いただければその場で現金買取いたします。
以上、CMでした(^^;;)。
さて、そもそも今回ロレックスが値上げに踏み切った理由は、スイスフランの高騰にあります。スイスフランはこの半年の間にこんなに値動きしております。
ここ数ヶ月のスイスフラン/円相場推移(水色)
(オレンジの線は平均移動線ですので無視して下さい)
水色の線に注目してください。1月の中旬に突如値上がりしております。瞬間的には実に1.5倍もの値上がりをしておりますね。スイス中銀がスイスフランに対するユーロの上限を撤廃した日です。前のブログでも書きましたが、簡単にいうとスイスの銀行がこれまで自国の通貨(スイスフラン)を使って、ユーロの価値が落ちている間は買い支えていたわけですが、それをやめたということです。これによりユーロの価値が下がり、スイスフランの価値は一気に上がりました。
スイスフランが高くなるということは、他国で販売した分の売上金をスイスフランにした時の金額が少なくなってしまうということです。したがって、これまでと同じスイスフランを得るためには、スイス以外の国での定価を上げざるを得なくなるわけです。
スイスは時計メーカーが密集している国ですから、スイスフランの上昇は他の時計メーカーの定価改定にも当然関係してきます。しかし、スイスフランの値動きを見ると、もうだいぶ落ち着いてきていて、以前の水準とさほど変わらない値段にまで戻してきています。したがって、定価の値上げが他のブランドに連鎖的に広がっていくことはなさそうです。
ところで、逆に値段が下がったユーロはどうなっているのでしょうか。日本で人気のあるファッション・ブランドの大半はユーロ圏のものですから、気になるところです。ユーロの値動きも見てみましょう。
ここ数ヶ月のユーロ/円相場推移(水色)
(オレンジの線は平均移動線ですので無視して下さい)
1月の中旬にも確かに落ちていますが、その前後を見てもだいぶ安くなっていますね。ユーロが安くなるということは先ほどの話とはまったく逆で、ヨーロッパ・ブランドが定価を下げる可能性があるということです。ただし、定価を値下げするということはブランドの価値を下げる行為ですから、よほど大きな変動がなければ各ブランドとも行わないはずです。現在の1ユーロ130円ぐらいの水準であれば、定価改定はなさそうですね。
定価が値下がりすることは、品物をこれから購入したいお客様には大変喜ばしいことなのですが、我々にとっては在庫価値が下がってしまうため、ちょっと心配だったりもします。とにかく、ここのところの為替変動の激しさには結構振り回される部分がありますよね(^^;)。