話題の中心はやはりあのモデル
すっかり春ですね。春といえば桜の開花が気になるところですが、時計界ではバーゼルワールドという大きなイベントがあります。毎年スイスのバーゼルという場所で行われる時計の新作発表会のようなイベントですが、各社揃ってここ一番の注目の商品を出してきます。ロレックスからも大きなニュースが発表されました。デイトナの新型です!
SSのデイトナは、新品が常に定価以上の値段で売られているロレックスの人気モデルですが、15年ぶりに新作が発表されました。従来のデイトナは黒文字盤の方が人気が高く、取引値段も高いのですが、今回は白文字盤の人気が出そうな感じですね。黒ベゼルと白文字盤のカラーリングは、どことなく往年の名機、銀文字盤の手巻きのデイトナを感じさせますね。落ち着きがあってかっこいいです。
新型デイトナ Ref.116500LN
今回、GMTマスターⅡ、サブマリーナに引き続き、デイトナにもセラミックベゼルが採用されました。今やセラミックベゼルはスポーツ系ロレックスの共通項となりつつありますね。ケースサイズは前作と同じで40mm、ムーブメントも前作と同じCal.4130が搭載されるようです。昨今ケースの大型化が進む中で、敢えてデイトナのサイズを上げなかったのは個人的には良かったのかなと思います。
さて、次に一見地味ながらも今回大きな進化を遂げたデイトジャストを見ていきましょう。デイトジャストといってもケースサイズ41mmのビッグサイズ、デイトジャストⅡの新型です。ロレックスのホームページを見ると、新型では呼び方がデイトジャストⅡではなく、「デイトジャスト 41」となっております。ぱっと見、どこが新しくなったのか分かりませんでしたが(^^;)、「中身」が大きな進化を遂げていました。新型には、昨年のバーゼルで話題を集めたデイトジャスト用の新型ムーブメントCal.3235が搭載されました。このムーブメントは従来のCal.31XX系と比べるとフルモデルチェンジに近いぐらい各部に大きな改良が施されたムーブメントで、パワーリザーブも一気に増えて約70時間となっております。これで週末時計を外していても、月曜日の朝、調整なしでそのまま時計を付けられるようになったわけです。
新型デイジャスト 41mm Ref.126333 (ジュビリーブレス)
その他、ブレスがジュビリーブレスを選択できるようになりましたね。やっぱりデイトジャストはジュビリーブレスでなければしまらないという方には朗報です。特に今回のジュビリーブレスはバックル部分がオイスターブレスのものと同様の作りになっており、長さの微調整が簡単にできるという点も良いですね。
今回、モデル名からデイトジャストⅡという呼び名が外れ、「デイトジャスト 41」という大きさのみを表示する形になりました。あくまでデイトジャストのサイズ違いということが強調されたわけで、ということは、次に従来の36mmサイズ「デイトジャスト 36」との間を埋めるサイズが出てくるのか、あるいは36mmサイズのデイトジャストについても間もなく新型ムーブメントが搭載されるようになるのか、ちょっと興味深いですね。
最後に見た目が大きく変わったエアキングとそうでもない(^^;;)エクスプローラーⅠについて見ていきましょう。元々この2つのモデルはどちらもノンデイトでケースサイズもほぼ同じでしたから、なんとなく兄弟のような関係に思えて仕方がありませんでした。歴史的に見ればエアキングの方が先輩で、エクスプローラーⅠの方が後輩です。ただし、位置づけから見ると、エクスプローラーⅠはノンデイトのプレミアム版みたいな価格帯で、90年代以降さらに絶大な人気を誇りましたから、こちらの方が兄貴のように思えます。
近年、エクスプローラーⅠはケースサイズが39mmと大型化したことで劇的に印象が変わり、逆にエアキングは多サイズ展開となったオイスターパーペチュアルシリーズに統合された形で、文字盤からもその名前が消えておりました。進化するエクスプローラⅠとは対照的に、エアキングはいよいよ廃盤になってしまうのだなと寂しく思っていた方には大どんでん返しですよね。
しかも、今度のエアキング、劇的に変化しております。
(左)新型エアキング Ref.116900 /(右)新型エクスプローラⅠ Ref.214270
なんとケースサイズが従来の34mmから一気に40mmとなりました。エクスプローラーⅠを超えてしまいましたね(^^;)。さらにインデックスにはエクスプローラーⅠを彷彿とさせる3、6、9の文字が入り、新型同志を並べてみてもよく似ております。さながら兄弟関係復活といった感じでしょうか(^^)
エクスプローラーⅠの方はというと、今回の変化はちょっと分かりずらいですね。型番も変わっておりませんので、マイナーチェンジです。よく見ると、3、6、9の文字に昔のように夜光が入っているのが分かります。考えてみたら、そもそもエクスプローラⅠは冒険家のために作られた時計で、暗闇の洞窟でも見えるような視認性の良さが特徴だったはずです。今回大きなアラビア数字の上に再び夜光が入ったことで、原点のコンセプトに立ち返ったのではないかと思います。一方、エアキングの方も3、6、9の文字の間に分表示の数字が入ってきたことで、エアキングの名前が意味するように、空を意識したパイロットウォッチのような印象になりましたよね。
今回の変更で、ロレックス・ノンデイトをけん引してきた名兄弟の個性、棲み分けがはっきりしたように思います。これにミルガウスを加えたノンデイトの3つのモデルはどれも魅力的ですから、今後さらに購入者を悩ませることになりそうですね(^^;;)