今年の地金相場は猪突猛進?

熊谷質店

安定の金相場VS復活のプラチナ相場

2019年地金相場やいかに(2018/1/8)

2019年、始まりました!今年は新しい「時代」がやってくる歴史的な一年となりますね。秋には消費税の増税、そして来年は東京オリンピックも控えており、日本全体が割とばたばたした一年になりそうですが、今年も一年間よろしくお願いいたします。さて、ここ最近、特にお客様から聞かれるのはやはり金・プラチナの今後の相場動向です。ということで、毎年恒例となっております地金相場予想(反省会)を今年も勝手にやってまいりたいと思います。(^^;;)

苦戦が続くプラチナ市況

まず、昨年の地金相場を振り返りますと、とにかくプラチナの苦戦が目立ちましたね。下の2枚のチャートを見ますと、金(上のチャート)、プラチナ(下のチャート)ともに年初以来値下り傾向にあり、お盆頃に今年の最安値を付けた後、秋から冬にかけて金相場はじりじりと値を戻していったのに対して、プラチナは途中で失速し、再び最安値圏へ突入していきました。結局金も年間で見ると相場は下がったのですが、アメリカの金利上昇、世界的な株価の乱高下の中にあって比較的安定した相場を保ち、何とか高値圏をキープしております。それに対してプラチナはといえば、数字で見ると、金相場が1年間でおよそ250円下落したのに対し、プラチナは650円超の下落で、これを率にすると、金はおよそ5%ですが、プラチナは実に20%近くの下落という目も当てられない結果となりました。これにより金とプラチナの価格差はさらに広がり、現在は1.5倍以上となっております。そのため、かつてプラチナの代用品として使われていたK14のホワイトゴールドがPt900よりも高い値段を付けているという、なんとも異常な状況が生まれております。

金価格推移 プラチナ価格推移
上・金価格推移 下・プラチナ価格推移

プラチナ相場の下落の背景にあるのは、ディーゼル車の排ガス浄化装置などに代表される工業需要の落ち込みといわれています。確かにプラチナの全消費量のうちで、この排ガス浄化装置に使われる部分は約40%を占めており、これがプラチナの最大の消費量となっております。ディーゼル車は、最も需要の高いヨーロッパでもシェアを減らしておりますし、今後は全世界的に電気自動車へのシフトがますます加速することが予想されます。

ですが、一方で工業用途でのプラチナの消費量自体は、今はまだ特に減少していないというデータもあります。にも関わらず相場の下落が止まらないというのは、プラチナの消費量のおよそ30%を占める宝飾需要もじりじりと減少していることが影響しているのかと思います。今の宝飾市場をけん引しているのは中国やインドなどのアジア新興国ですが、日本を除くアジア圏では宝飾品としては圧倒的に金の需要が高いですから、今のアジア各国の今後の成長力を考えてもプラチナは苦戦を強いられそうです。こういう状況下では投機的に見ても魅力が感じられないのが当たり前で、ますます相場が下がっているのだと思います。

今後の地金相場

とはいえ、正直今のプラチナ価格はさすがに少し安すぎるような気がします。というのも下のチャートを見てもらえれば分かりますが、同じプラチナ族の金属であるパラジウムはプラチナとはまったく逆に相場が高騰していて、今や、金を追い抜かすような価格にまで跳ね上がっております(^^;;)。パラジウムはその大半がガソリン車の排ガス浄化装置に使われていて、ハイブリッド車が堅調のためかこちらの需要はいまだ根強く、ここ数年品不足が続いている状態となっております。

パラジウム価格推移
参考・パラジウム価格推移

パラジウムがここまで値上がりすると、値下がりしているプラチナをその代替として使用することが現実味を帯びてきます。その価格差が切り替えコストを上回る日が近い将来あるのではないか、ないにしてもプラチナのこれ以上の値下がりにブレーキをかける力にはなるのではないかと思います。

また、プラチナは本来工業的には極めて優れた性質を持つ金属です。このプラチナが安価に利用できるのであれば、新たな工業用途が何か生まれてくるのではないでしょうか。それが我々の生活に密接に関係するようなものであれば、需要が一気に増えて、相場も一気に上がる可能性だってあるような気もします。

ということで、2019年は長く続いたプラチナの相場低迷に反撃の狼煙が上がるのではないかと思います。前回プラチナが大きく値上がりしたのが北京オリンピック前の2007年。それから12年たち、東京オリンピックを翌年に控える2019年。プラチナがかつての輝きを取り戻してほしいものです。

一方、金相場に関してですが、こちらも去年よりは上向きに推移していきそうな気がしますね。現在の不安定な世界情勢を見ると、金相場が大きく値下がりすることはちょっと考えにくいと思いますし、アメリカの利上げペースも鈍化する見通しが強いわけで、金相場は下がるよりも上がる公算の方が高いと思います。心配なのは為替の方で、世界の経済情勢が不安定になり、極端な円高に振れると、その分国内の金相場は下落してしまいます。新年早々、為替は1ドル107円~108円と昨年12月の水準からすると4~5円ほど円高に振れておりますので、アメリカの政局が安定し、米中間の貿易戦争が落ち着いてきて、1ドル110円~115円くらいの水準に戻るのが理想ではないでしょうか。

ということで、今年の予想としては、金は順調に推移、プラチナはどん底からの一発逆転の目がありということで、あくまでも前向きな予想としておきたいと思います。まだ1月ですし(^^;)