ダイヤの品質と選び方の関係

熊谷質店

ダイヤのご売却はぜひ当店へ。鑑定書がなくても正確に査定します。

第1回 ダイヤモンドの選び方

2年前、南アフリカW杯が大変な盛り上がりを見せました。南アフリカといえば、かのデビアス社も本拠地を置く、世界屈指のダイヤモンド王国です。ということで、今回はダイヤモンドの選び方と題して、質屋ならではの視点で書いてみたいと思います。

4Cについてはページの最後に説明があります

ダイヤモンドは4Cで選ぶ、ということはよく言われていることですが、実際問題、どの辺のものを選べばよいかということになると、案外悩ましいものです。

単に、最高の品質のものを求めるのであれば、4Cすべての項目を最高にすればいいわけですから、話は簡単です。ですが、そんなことをすれば、値段が高くなりすぎて、予算オーバーとなってしまいます。決まった予算の範囲でいかにきれいな石を選ぶか、それがポイントになると思います。

経験的に言って、1粒石の場合、最高クラスのダイヤと、中の上クラスのダイヤとを見比べても、肉眼ではそれほど差はありません。鑑定書を持ち歩いて人に説明するわけではないでしょうから、肉眼で十分にきれいな物ならば多少グレードが低いものでもいいのではないのかな、というのが個人的な意見です。

というわけで、少しでも安くて、きれいなダイヤを手にいれようとする場合、4Cのバランスに関しては、次のように考えます。

さて、なぜ今回このような記事を書いたのかというと、最高品質のものにこだわりすぎて、結局、高い買い物をしてしまっている方が多いのではないかと思ったからです。特に婚約指輪などは縁起物ですから、少しでもランクのいいものを選びたくなるのが人情です。でも、ダイヤの値段は、最高クラスに近づくと、極端に値段が高くなってしまいます。例えば、0.2ctでD-VVS1-EXの石と、0.3ctでF-VS2-EXの卸値段は同じくらいですが、並べてみたら0.3ctの石の方がずっと見栄えがします。長く身に着けて楽しむならこちらの方がいいかなと思うわけです。

また、キャッチセールスなどで、法外な値段で売りつけられるダイヤなどの決まり文句は「最高品質」です。最高のものだから高くて当たり前、という気持ちを消費者に植えつけて、そこにつけこみ、いくら何でも高すぎるだろうという値段で売るわけです。

今回の記事は、基本的に自分ならこう選ぶという観点で書いてみました。人それぞれ違った考え方もあるかと思いますが、何かの参考にしていただければ、幸いです。

付録 ダイヤモンドの4C

ダイヤモンドは、Cを頭文字とする4つの評価項目により、グレードが決まります。

カラット(Carat)

ダイヤモンドの重量を表す単位です。1ctは0.2gです。通常、1粒石で最も多く見かけるのが、0.3ct前後の石です。

カラー(Color)

石の色に対する評価です。通常、ダイヤは完全な無色がもっともよしとされ、黄色みを帯びるにつれ、グレードがダウンしていきます。Dが最高ランクで、以下アルファベットが増えるたびにランクが下がっていきます。

DE FG.....M N以下(VeryLightYellow) S以下(LightYellow)

クラリティ(Clarity)

石の透明度を表します。具体的には石の中に含まれる内包物の数、大きさ、色、場所などでグレードが決まります。

ランクは上から順に、IF、VVS1、VVS2、VS1、VS2、SI1、SI2、I1、I2などの呼称で定義されています。分かりやすくいうと、IFは内部には全く内包物がないというレベル。VVSクラスだと、専門家が十倍の拡大鏡を使った上で、何とか判別できるレベル。VSクラスは、専門家が十倍の拡大を使えば判別できるレベル。SI1は十倍の拡大鏡で容易に判別できるレベル。SI2はさらに容易に判別できて、場合によっては肉眼でも確認できるレベル。I1は肉眼で判別できるレベル。I2は判別というより、すぐに分かるレベル。

0.3ct〜0.5ct位の石であれば、SI1以上であれば、肉眼で確認できるような内包物はないです。

カット(Cut)

石のカット、つまりその石がダイヤモンドの美しさを引き出すために、どれだけ理想的なカットがされているかを表したものです。カットの良い石は、明らかに輝きが増し、きれいに見えます。

では、なぜすべての石が理想的なカットがされていないかというと、技術的な問題ではなく、カラットを優先させるからです。原石の状態から、より大きな石をカットしようとすると、どうしても理想的なカットができなくなってしまいます。カットが良い石というのは、原石の中から無駄な部分が出てしまうのを覚悟の上でそうしているわけですから、美しさを優先した贅沢なものであるといえます。

カットの評価は上から順に、Excellent、Very Good、Good、Fair、Poorの5段階となります。面と面の対称性が特に優秀な石の場合、さらにハート&アローというプラス評価が付く場合もあります。