今回は並行輸入についてのお話です
海外ブランドの品物を国内で買う場合に、直営店や正規代理店から品物を買う方法とそれ以外のインポートショップなどから品物を買う方法と2種類の方法があります。
インポートショップなどのように、国内の直営店・正規代理店を通さないで、海外から直接業者(ショップ)が輸入し販売する商品を並行輸入品といいます。また、それを販売する業者(ショップ)を並行輸入業者といいます。2種類のそれぞれの場合の品物の流れを図にすると以下のようになります。
よくデパートの中などに、1つのブランドが単独で店を構えているような場合がそのブランドの直営店です。そうではなく、複数のブランドや、バッグ・時計など複数のジャンルの商品をひとまとめに扱っているような店が並行輸入のお店です。並行輸入の方が普通安く品物を買うことができます。
では、直営店・正規代理店(以下、まとめて正規店といいます)購入のメリットというのはどういったところでしょうか。
品物が絶対に安心である
これが正規店購入の最大のメリットといえるでしょう。メーカーから直接品物が入ってきているので、間違っても偽物ということがありません。状態についても展示品などはあまり売らないと思いますので、同じ新品でも良い状態である場合が多いでしょう。
サービスが良い
そのメーカーの直接のお客として非常に丁寧な接客を受ける場合が多いです。名簿などにも登録され、新作が出たときにパンフレットやイベントの案内などが送られてくる場合もあります。
また、直営店のスタンプが入った保証書がつくので、修理やオーバーホールなどのアフターサービスで有利になるメーカーなどもあります。
では、並行輸入品を買うメリットは何でしょうか。
値段が安い
一番のメリットはこのことに尽きると思います。メーカーや品物にもよりますが、国内通常定価の50~80%程度で買える場合がほとんどです。型落ちのものや、メーカーが在庫処分を急いでいるようなものは、50%以下で買える場合もあります。品物そのものは同じものですから、圧倒的なお得感があると思います。
並行輸入の場合、為替の影響を大きく受けますので、円高の時にはさらに価格的に有利になります。
複数のメーカーの品物を同時に見ることができる
実際にショップに行き、色々なメーカーの品物を同時に見て比較できるというのもメリットの一つだと思います。
ただ、時計などは1つの時計屋さんが複数のメーカーと代理店契約をしている場合が多いので、正規代理店内で比較できることも多いです。
珍しい品物が買える場合がある
日本未発売のモデルなど、国内正規店では逆に買えないものが買える場合があります。また、最新作や人気高騰による品薄で中々手に入らないものが置いてあったりする場合もあります。ただし、こういったものはプレミアム付きで定価よりも高く売られている場合も多いです。
さて、ではどちらが良いかというのが本題ですが、これは一概には言えないかもしれません。人によって、また状況によって何を優先するかが違いますから。ただ、大事なのは並行輸入のお店で品物を買う場合には、お店選びが重要だということです。そのお店が本当に安心な店なのか、値段設定はどうなのかなど少し考える必要があるでしょう。実店舗がきちんとしていて、名前がある程度通っているようなお店の場合、安心度は高いと思いますが、ネットでのお買い物の場合には特に注意が必要であると思います。ただ、そういったことに気をつければ、この価格面での魅力は絶大なものであると思います。品物自体は同じものであるわけですから。
品物に関して、割と神経質な方は、正規店での購入が良いかなと思います。この絶対的な安心感は何物にも代えられません。並行輸入品を買って、何となく気になってしまうと、品物自体への愛着を失うことにもなってしまい、何のために買ったのか分からなくなってしまいます。
個人的に言うと、ヴィトンの新品は直営店で買ったほうがよいかなと思います。というのもヴィトンは商品管理、価格管理が世界中でしっかりとされているようで、並行輸入業者も安く輸入することができないのです。ですから、価格もほとんど定価通りということになってしまいます。それならば直営店で買ったほうがいいのかなと思います。もっとも一度販売されたものが、一度も使われることがなく未使用のまま中古市場に出るようなものに関して言えば、定価よりも安く手に入れることはできるでしょう。こういったものは、中古品を取り扱っている業者(小売販売している質屋なども)から買うことができます。
時計に関しては価格差を考えると、どうしても並行輸入のお店を選ぶようになってしまうかもしれませんね。ただ、長く使えるものですから、直営店の場合アフターの良し悪し、代理店の場合、そのお店自体が修理、オーバーホールに対応できるかどうかなども考慮に入れて比較する必要はあるかもしれません。
最後に日本流通自主管理協会(AACD)について紹介します。AACDは、多くの並行輸入業者が参加している団体で、偽造品や不正品の流通を排除することを目的としています。こちらの団体に参加している業者(お店)には、下のような天秤のマークとAACDに加盟している旨が掲示されていますから、より安心度の高いお店選びの参考になるかと思います。(いわきにあるお店では、ドン・キホーテやイオンいわき店内にあるニミウスなどが加盟しているようですね。)
安心度の高い天秤のマーク