TPPに参加するとブランド品の相場ってどうなるのでしょうか

熊谷質店

今回は日本のTPP参加とブランド品の相場についてです

第6回 TPP参加とブランド品

先日、スポーツ新聞を見ていたら、「質屋に二束三文で買い叩かれる値下がりブランド品」なんていう週刊誌の見出し広告が出ていました。この見出しにはちょっと頭にきましたが、つい気になって(^^;)、買ってきちゃいました某一流週刊誌。

記事

ようは、日本がTPPに参加するとブランド品が値下がりするから売るなら今だ、という感じの記事が載っていました。本文中に「質屋」の文字が一言も出てこないのに、この見出しって・・・さすが有名週刊誌(失笑)ですが、それにしても本当に値下がりするのでしょうか。

TPPと関税

TPPとは環太平洋戦略的経済連携協定の略で、太平洋沿岸諸国間で経済制度の整合性を図り、関税についてはほぼ例外なくゼロにすることでより活発な貿易を目指すというものです。関税がゼロになると外国からの輸入品はその分値段が安くなる、それは間違いありません。

ですが、関税というのは、すべての品物に対して一律に課税されているわけではありません。品目ごとに税率が異なっていますし、非課税のものもあります。

実効関税率表(財務省貿易統計のページより)

まず、金などの地金類や、ルースダイヤなどには関税はかかっていません。ただし、指輪やネックレスなどの製品については関税がかかっています。また、ブランド品などのバッグや財布等には1割程度の関税がかかっていますが、腕時計には関税がかかっていません。もともと関税がかかっていないものに関しては、関税が撤廃されても影響は一切受けません。影響を受ける受けないは、品目ごとに変わってくるということです。

TPP参加国

TPP参加国(予定国も含む)は、シンガポール、ブルネイ、チリ、ベトナム、ペルー、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカの9か国。日本で人気のあるファッション・ブランド、時計ブランドの多くはヨーロッパにあります。アメリカのファッション・ブランドとして、コーチやマーク・ジェイコブス、宝飾ブランドとしては、ティファニー、ハリー・ウィンストンなどがありますが、中古市場で扱うブランド品の中に占める割合としては多くありません。しかも、コーチなどはアウトレット品がすでに安く国内に入ってきており、値崩れをしております。

概してアメリカのブランドというのは、合理的な考えの企業が多いようで、アウトレットのモールなどを通して、値段を落としながらも安定的な売り上げを確保しているメーカーが多いようです。ですので、関税そのものの影響は少ないかと思います。

また、ティファニーやハリー・ウィンストンなどは高級宝飾ブランドですから、需要はファッション・ブランドと違いそれほど多くはなく、その影響も限定的かと思われます。

まとめ

日本がTPPに参加すると我々の生活においても、色々と影響が出てくる部分があるかと思います。ですが、ブランド品の相場については、ほとんど影響はないものと思います。どうにも不安定な為替相場の変動の方がはるかに大きな影響を与えると思います。ですから、今、慌てて品物を売るほどのことはないでしょう。もちろん為替的には今は円安ですから、売り時として悪くはないと思いますが(^^;)。

最後に、質屋は二束三文で買い叩いたりはしません(笑)。
(ちょっとブログ的な内容になってしまい、失礼しました(^^;))