今回は金・プラチナの純度と価格の関係についてです
金・プラチナの純度は100%がいいようにみえますが、製品として考えた場合はそうでもありません。例えば純金などはそのままでは柔らかすぎて、すぐに傷がついてしまいますし、加工するにもしずらいです。また、昨今では地金の値段が上昇しすぎているため、少しでも低価格で品物を売るために金の量を減らすよう純度が抑えられた製品も多く見かけます。
金の純度には非常に多くのバリエーションがあります。金の純度を表すとき、日本国内では伝統的にカラット(Karat)といって24を100%としたときの割合が用いられます。例えば24金(K24)といえば、純度が100%の純金のことですし、18金(K18)といえば、24分の18、つまり75%の純度の金を表します。一般的に金の純度として使われる種類を下の表にまとめました。
国内 | 海外 | 純度 | 解説 |
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K24 | 1000 or 999.9 | ほぼ100% | いわゆる純金。柔らかいため、現在は、製品に使われることは少ない。主にコインやインゴッドに使われる。 |
K22 | 916 | 91.6% | 外国製のコインや高純度が好まれるアジア諸国で使用される。国内の宝飾品として使われるのは稀。 |
K21.6 | 900 | 90% | インディアン・コインなど外国製コインに広く利用される。国内では普通利用されない。 |
K20 | 835 | 83.5% | かつては指輪などに使われたが、現在ではほとんど使われない。 |
K18 | 750 | 75% | いわゆる18金。ネックレスや指輪などの宝飾用素材として、国内また海外も含めてもっとも多く使われる。 |
K14 | 583 or 585 | 58.3~ 58.5% |
18金より硬いため、耐久性が求められるパーツなどによく使われる。アメリカのジュエリーにも多い。 |
K10 | 416 | 41.6% | 以前はほとんど見かけなかったが、金の高騰以来よく見かけるようになった。 |
K9 | 375 | 37.5% | 国内では特定の会社の製品でしか見かけない。国内で「金」として認められる純度として最も低い。 |
国内の金製品にはたいてい「K18」などKで始まる刻印がされておりますから、ぜひ確認してみてください。指輪なら内側の部分、ネックレスなら着脱するプレート部分に刻印されています。この刻印で純度が分かります。海外の製品の場合には「750」などの千分率表記が用いられます。財務省の検定印である「旗印」の刻印に使われている純度表記も千分率です。こちらの方が直感的で分かりやすいですね。
プラチナ製品にもいろいろな純度があります。ただし、国内、海外を問わずすべて千分率で表現しますので、分かりやすいです。純度の種類も多くありません。
共通 | 純度 | 解説 |
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Pt1000 | ほぼ100% | 純プラチナ。コインや縁起物である結婚指輪などに用いられることが多い。 |
Pt950 | 95% | 外国製の宝飾品、時計などに多い。 |
Pt900 | 90% | リングやペンダントヘッド、イヤリング、ピアスなどに使われる場合が多い。 |
Pt850 | 85% | ネックレスやブレスレットなど、ボリュームがあるものに使われる場合が多い。 |
日本で財務省の認定を受けられるのはPt850までです。したがってそれ以下の純度ではプラチナ製品とは呼べません。しかし稀にですが、Pt650とかPt100など、低純度の刻印をもつ製品を見かけることがあります。これは、Pt850やPt1000などの刻印とも似通っており、それを意識した製品かと思われます。これらの製品は一切取り扱いができませんので、ご注意ください。
また、古い製品では「Pm」「Pm850」などという刻印のものがあります。Pm850など、後ろに純度表記が付くものはたいてい問題がありませんが、ただのPmという刻印の場合、プラチナは入っているものの含有量がかなり少ない場合があります。この場合は、通常のプラチナ製品と扱いが変わることがあります。
純金以外の金やプラチナには、割金と呼ばれる別種の金属が含まれています。この割金を調整することで金の色自体を変えることができます。
通常、金の割金には銅や銀を使いますが、これをバランスよく混ぜると普通のイエロー・ゴールドとなります。銀の割合を増やすとやや色が薄いイエロー・ゴールド、銅の割合を増やすとピンクがかったピンク・ゴールド(PG)となります。銅の代わりにパラジウムを混ぜると白くすることもでき、ホワイト・ゴールド(WG)となります。ただしパラジウムはシルバーや銅よりもだいぶ高いので、普通のイエロー・ゴールドにロジウム・メッキをかけて白くしたものも多いです。この場合、使用しているうちに地の色であるイエロー・ゴールドが見えてきたりします。
現在では、ホワイト・ゴールドやピンク・ゴールドの方が人気が高く、金無垢の高級時計やブランド・ジェエリーなどでも、こちらの方が相場も高いです。ただし、金の値段としてみた場合、基本的に色による値段差はありません。ただし、パラジウムが使われていると思われるホワイト・ゴールドの一部に関しては、多少値段がプラスになる場合があります。
新聞やテレビなどで金の価格として取り扱われているのは、田中貴金属が投資用に売買している純金インゴッド(塊)の1gあたりの取引価格です。この価格は、金の現在の相場を知るうえではとても重要な数値です。売り、買いと2つの値段がありますが、「買い」の方の値段が我々にとっては重要で、多くの業者がこの値段を参考にその日の買取価格を決めています。ただ、この値段をそのまま店頭に表示してある買取り店を見かけますが、実際に品物をこの値段で買取りするわけではありません。
金の価格は純度によって変わります。例えば、100gのネックレスがあったとすると、それが純金であれば、100gの金が使われているわけですが、通常は18金で作られていますから、純度が75%、つまり75gしか金が使われておりません。また、金を再生する(溶かして金部分だけ取り出す)際に若干の手数料もかかります。
18金の場合だと、単純に金の値段だけで考えても75%で考えなければなりません。そこから、金を再生する際の手数料+そのお店の利益を引いた分がそのお店の買取金額となります。例えば、発表されている純金のインゴッド価格が1gあたり5,000円だとすれば、75%は3,750円。この金額でお店側は買取することはできませんが、この値段よりもずっと安いということであれば、お店側が利益を取りすぎているということになります。
実際の買取金額というのは結構店によってまちまちです。上記の相場の場合であれば、1gあたり3,000円以上つける店が多いかと思いますが、中には2,000円以下という店もありますから、お店選びは最も重要であるかもしれません。ご売却の際には、店頭掲示の金額ではあいまいなので、金の純度と量を伝え、実際にそれをいくらで買うかを直接確認する必要があるでしょう。